コロンとソラの嫁っ子捜し その４ ９０

マム（アナグマ）を逃がしたのは、オレだという

皆の目線を感じる喜太郎は、すっかり弱気になってしまいました。

「オレさ、狩りなんてしたことないしさ、

ヤリなどの物騒なもんも持った事なかったからさ、できないよ・・・」

ワンワン

「何言ってんだい、生きて行くってのは食うか食われるかだよ、

そんな甘いこと言ってたら、野垂れ死にだぜ」

ニャーン

「そうだよ、だいたいさ、喜太郎は、働きもせずに親から

飯を食わせて貰ってたから、苦労してないんだよ」

「まあ、そうかもしれないけど、ケモノを捕るとか殺すなんてことを考えたことなかったよ」

おスズちゃんは、喜太郎達の会話を聞いていて、

ムカついてきました。

「何よ、喜太郎さん・・・、あんたは、男でしょう、しっかりしなさいよ、

ヤリを持ったことが無いだとか、ケモノを捕ったことが無いとか、

恥ずかしくないの、よくまあ、これまで生きて来たわね」

こりゃまた厳しい事を言うおスズちゃんだね。

「いや・・だから、そんな事を考えた事がないんだ」

「あら、まだそんな寝言を言ってんの、

もう頭きた、そのヤリをよこしなさい・・・こうしてやる」

おスズちゃんは、喜太郎からヤリを取り上げて、喜太郎めがけて

突き刺します。

「わーーー、何するんだーー・・あぶねぇーー」

喜太郎は、慌てて逃げます。

コロンとソラも、こりゃまずいと、慌てておスズちゃん止めます。

【続く】

こりゃ、一種の仲間割れだね。

目標があるのに、行けないとか行かないとかなると、

そうなんだよな。





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