FC2ブログ

Entries

方言小話:あっぱーーじゃねぇお母さんだぞ

方言小話:あっぱーーじゃねぇお母さんだぞ

昭和30年頃は、蚕(カイコ)をやってる家が多かったもんだ。
蚕は桑の葉をエサにするもんだから、
畑の周りには、桑の木が沢山あったな。
その桑の葉を木に登って取るんだよ。
下山さん家でも夫婦で、桑の葉を取ってらたんだどよ。
そしたらば、母ちゃんが木からぼったりと落ちてしまってな。

桑の葉取り
「あー! 痛えぇてぇー・・」
てなや、動けなくなってすまってなや。

こりゃ大変だって、大八車さ載せて、街の医者に連れてったさ。
そしたら、骨が折れてるってよ。
手術してくっつけねばならねって、盛岡の病院さ行ったのさ。

下山さん家には3人のワラスがいてなや。
「母ちゃん、なんじょだべ」
てなや、心配すてな。
泣きべそかいてらったのさ。

何日か経ってな、父ちゃんが、盛岡さ見舞いに連れて行ってやるって
行ったのよ。
ワラス共は喜んだ、喜んだ。
そしたらば、父ちゃんが、
「いいか、病院さ行ったならば、あっぱーじゃねえからな、
お母さん・・だからな」
と、云うのさ。
「うぇ・・お母さん」
「うんだ、お母さんだ、分かったな、いいか」
3人のワラスは、あっぱーて、呼んでる母ちゃんを、お母さんて練習したんだよ。

見舞いの日は、久しぶりに母ちゃんに会えるから、皆喜んでな。
病室をそっと覗いたら、母ちゃんがにこっとしてな。
「よーく来たなや・・・、此処さこー」
って。
そしたワラス共は、
「あっぱー」
て、叫んで、母ちゃんさ抱きついたんだよ。
父ちゃんは、隣の人を見ながら、
顔を真っ赤にしてたらったと。

けどな帰る時に、
「お母さん・・・、早く治ってな」
て、言えたってよ。

母ちゃん
しばらくして、母ちゃんは退院して家に帰って来た。
それでな、下村さん家のワラス達は、
「お母さん、お母さん」
て、呼ぶんだ。
他では、皆して、
「あっぱー」とか、「おっ母ー」
て、云ってるのにな。

そのうちに、周りの家でも、母ちゃんん事を、
「お母さん」
て、云うようになったんだとさ。


  どんと晴れ


にほんブログ村 小説ブログ 童話・児童小説へ
にほんブログ村

人気ブログランキングへ



スポンサーサイト



コメント

[C4217] No title

こんばんは
ほのぼのとしたいいお話ですね。

  • 2015-01-13 04:35
  • hippopon
  • URL
  • 編集

[C4218] 似たような話

ツッチーさん
おはよう御座います。

小学校にあがる前のことですが、どの家でもお父ちゃん、お母ちゃんと呼んでいました。
ある家の子供がませていてお父ちゃん、お母ちゃんというのは赤ちゃんだ。もうお父さん。お母さんと呼ぶべきだ。といいました。それから近所ではみんなお父さん、お母さんというようになりました。
やはりきっかけがあるのですね。

愛新覚羅
  • 2015-01-13 07:46
  • aishinkakura
  • URL
  • 編集

[C4219] 管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

[C4220] 懐かしいです。

こんにちは^^


懐かしいです。

小学生のころ
蚕の繭を作ったことがあります。

ほのぼのですね。

みんな大好きお母さん^^
  • 2015-01-13 15:44
  • ヒロタロウ
  • URL
  • 編集

[C4221] Re: No title

> hippopon さんへ
この前、婆さんを連れて服屋に行ったとき、
「婆さんに、ズボンくれ」
と、言ったら、
店員に、
「婆さんじゃないでしょう、お母さんでしょ」
と、言われた。
その店員は、同級生だった。
  • 2015-01-13 19:38
  • 大坊峠のツッチー
  • URL
  • 編集

[C4222] Re: 似たような話

> 愛新覚羅 さんへ
なるほどですね。
言葉の伝播ですね。そのようにして、伝わり統一していく。
多分、大和政権の都と言われる所から、
徐々に浸透して行ったと。
卑弥呼の時代のこの辺は、どのような言葉を使ってたか
分かりませんね。
アイヌもいただろうし。

  • 2015-01-13 19:43
  • 大坊峠のツッチー
  • URL
  • 編集

[C4223] Re: No title

> SR さんへ
父ちゃんビックラこですね。
今この家の人々は、いなくなり、空き家になっております。
もう、誰もこのような語りをする人はおりません。
  • 2015-01-13 19:46
  • 大坊峠のツッチー
  • URL
  • 編集

[C4224] Re: 懐かしいです。

> ヒロタロウ さんへ
コメント有難うございます。
蚕ですね。
昭和30年前半までは、まだありましたね。
人の家の小屋に遊びに入って、積んである箱を
覗いたら、白い虫が沢山いてビックリして、慌てて外へ逃げた。
と云うのを思い出します。
  • 2015-01-13 19:50
  • 大坊峠のツッチー
  • URL
  • 編集

コメントの投稿

コメント

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://iwatetsuchy.blog.fc2.com/tb.php/1359-195dc3c2
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

Appendix

プロフィール

大坊峠のツッチー

Author:大坊峠のツッチー
岩手県は北緯40°に位置する岩手町から地域の情報を発信します。山里で農業を営み、昭和26年生まれの人生と、方言による創作小話・童話を綴ります。尚、作品は著作権とし、無断使用はお断りします。

カレンダー

12 | 2021/01 | 02
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31 - - - - - -

最新記事

お楽しみはこちらで

カテゴリ

検索フォーム

QRコード

QR

ランキング参加してます

ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村