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時の雲隠れ

小話:時の雲隠れ

「ふー、今日も一日過ぎていくか・・」
山田光男は、一人暮らである。

小さなアパートで、その日その日を精一杯生きていた。
流れる雲1
時折日雇いの仕事をしている。

今日は日曜で休みだが、特にすることもない。

「あーあ、オレはもう60歳になってしまったか・・」

光男はため息をつくのだった。


続く


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小話:時の雲隠し その2

小話:時の雲隠れ その2

一人暮らしの光男。
最近は、体力の衰えを感じるのだった。

「ふーん天気もいいようだし、どれ歩いてくるか」

光男は、近くの森まで散歩をするのでした。
流れる雲2
光男の半生を振り返ると、どうも芳しくなかった。

仕事も転職を繰り返して、どれもうまくいかなかった。
結婚もしたが、女房も去って行ってしまった。

金銭も結局身につかなくて、
独り身だけど余裕はない状態なのである。

「ああ、オレの残りの人生も、結局つまらないだろうな」

などと、つぶやきながら歩いていると、
林の中に、何やら立ってるのを見つけたのだった。

続く


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小話:時の雲隠し その3

小話:時の雲隠れ その3

光男は、近くの山すそを散歩していた。

ふと、林の中に目をやると、何かが立っているのに気づいたのだった。

「ふーん、なんだろう」
光男は林の中へと足を踏み入れた。

だいぶくたびれた祠だった。

「こんな所に祠があったのか、いったい何の神だろう」
3小話:時の雲隠れ
光男は、祠に手を合わせた。

「まあ、神様でも忘れられてしまうもんだな」

光男は、これも何かの縁と、祠の前で、
人生を語るのであった。

なあ、神よ。人の人生はそりゃ~様々だろうけどな、
あまりにも不公平じゃないか。

運不運ともいうけどよ、半々ならいいよ。
不運ばっかりてのも、ひどいじゃないかい。

などと、ぐちぐちいうのであった。

すると、すーっと白い影が近づくのだった。

続く


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小話:時の雲隠し その4

小話:時の雲隠し その4

光男が林の中で見つけた祠の前で、
自らの人生のグチを言っていたのだった。

しばらくして、白い物が近づいてきた。

「そうか、そうか、それはかわいそうじゃのう」

「あ! びっくりした、・・・あなたは‥、どなた様で」

「ああ、わしは、この祠にいる時の神じゃ」

「え、神様?  それはそれは」

光男の前に現れたのは、時の神だという。
小話:時の雲隠れ4
「最近は、誰も来なくなってのう。いささか退屈しておった」

「いや・・、神様が本当にいるとは、ついグチを聞かせてしまって
申し訳ありません」

「久しぶりに、人間世界の話を聞いたよ、相変わらずの世であるな」

「私は、もう60歳を超えました、この先を思うと生きていく希望がないのです」

時の神は、光男の姿をじっと見るのだった。


続く


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小話:時の雲隠し その5

小話:時の雲隠し その5

時の神は、光男を見つめるのだった。
そして、近づいた。

「そうじゃのう、不運が続いたか、それは気の毒じゃった」

「まあ、そういうわけで、この通りです」
小話:時の雲隠し 5
時の神は、光男の人生を憐れむのでした。

「ワシはな、最近仕事をしていないからな、
久しぶりに、やるとするか」

「はあ、何の仕事ですか」

「うんまあ、あのな・・、オマエさんの戻りたい時の人生に、
戻してやろうかとな」

「え! 戻りたい時に・・ですか」

「そうじゃ、戻りたい時にじゃ、40代でも30代でも、戻りたい時期を示せば、
その時に戻してやろう」

「すると、戻った時期から、人生をやり直せるのですか」

「その通りじゃ」

「ほ、本当ですか、そんなことができるのですか」

「ああ、出来るのじゃ、ワシは時の神じゃからのう」

光男は、自分の人生を振り返るのだった。

「ええ、オレは何時の時に戻れば一番いのだろうか」

続く


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プロフィール

大坊峠のツッチー

Author:大坊峠のツッチー
岩手県は北緯40°に位置する岩手町から地域の情報を発信します。山里で農業を営み、昭和26年生まれの人生と、方言による創作小話・童話を綴ります。尚、作品は著作権とし、無断使用はお断りします。

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