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時の雲隠れ
小話:時の雲隠れ
「ふー、今日も一日過ぎていくか・・」
山田光男は、一人暮らである。
小さなアパートで、その日その日を精一杯生きていた。

時折日雇いの仕事をしている。
今日は日曜で休みだが、特にすることもない。
「あーあ、オレはもう60歳になってしまったか・・」
光男はため息をつくのだった。
続く

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「ふー、今日も一日過ぎていくか・・」
山田光男は、一人暮らである。
小さなアパートで、その日その日を精一杯生きていた。

時折日雇いの仕事をしている。
今日は日曜で休みだが、特にすることもない。
「あーあ、オレはもう60歳になってしまったか・・」
光男はため息をつくのだった。
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小話:時の雲隠し その2
小話:時の雲隠れ その2
一人暮らしの光男。
最近は、体力の衰えを感じるのだった。
「ふーん天気もいいようだし、どれ歩いてくるか」
光男は、近くの森まで散歩をするのでした。

光男の半生を振り返ると、どうも芳しくなかった。
仕事も転職を繰り返して、どれもうまくいかなかった。
結婚もしたが、女房も去って行ってしまった。
金銭も結局身につかなくて、
独り身だけど余裕はない状態なのである。
「ああ、オレの残りの人生も、結局つまらないだろうな」
などと、つぶやきながら歩いていると、
林の中に、何やら立ってるのを見つけたのだった。
続く

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一人暮らしの光男。
最近は、体力の衰えを感じるのだった。
「ふーん天気もいいようだし、どれ歩いてくるか」
光男は、近くの森まで散歩をするのでした。

光男の半生を振り返ると、どうも芳しくなかった。
仕事も転職を繰り返して、どれもうまくいかなかった。
結婚もしたが、女房も去って行ってしまった。
金銭も結局身につかなくて、
独り身だけど余裕はない状態なのである。
「ああ、オレの残りの人生も、結局つまらないだろうな」
などと、つぶやきながら歩いていると、
林の中に、何やら立ってるのを見つけたのだった。
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小話:時の雲隠し その3
小話:時の雲隠れ その3
光男は、近くの山すそを散歩していた。
ふと、林の中に目をやると、何かが立っているのに気づいたのだった。
「ふーん、なんだろう」
光男は林の中へと足を踏み入れた。
だいぶくたびれた祠だった。
「こんな所に祠があったのか、いったい何の神だろう」

光男は、祠に手を合わせた。
「まあ、神様でも忘れられてしまうもんだな」
光男は、これも何かの縁と、祠の前で、
人生を語るのであった。
なあ、神よ。人の人生はそりゃ~様々だろうけどな、
あまりにも不公平じゃないか。
運不運ともいうけどよ、半々ならいいよ。
不運ばっかりてのも、ひどいじゃないかい。
などと、ぐちぐちいうのであった。
すると、すーっと白い影が近づくのだった。
続く

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光男は、近くの山すそを散歩していた。
ふと、林の中に目をやると、何かが立っているのに気づいたのだった。
「ふーん、なんだろう」
光男は林の中へと足を踏み入れた。
だいぶくたびれた祠だった。
「こんな所に祠があったのか、いったい何の神だろう」

光男は、祠に手を合わせた。
「まあ、神様でも忘れられてしまうもんだな」
光男は、これも何かの縁と、祠の前で、
人生を語るのであった。
なあ、神よ。人の人生はそりゃ~様々だろうけどな、
あまりにも不公平じゃないか。
運不運ともいうけどよ、半々ならいいよ。
不運ばっかりてのも、ひどいじゃないかい。
などと、ぐちぐちいうのであった。
すると、すーっと白い影が近づくのだった。
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小話:時の雲隠し その4
小話:時の雲隠し その4
光男が林の中で見つけた祠の前で、
自らの人生のグチを言っていたのだった。
しばらくして、白い物が近づいてきた。
「そうか、そうか、それはかわいそうじゃのう」
「あ! びっくりした、・・・あなたは‥、どなた様で」
「ああ、わしは、この祠にいる時の神じゃ」
「え、神様? それはそれは」
光男の前に現れたのは、時の神だという。

「最近は、誰も来なくなってのう。いささか退屈しておった」
「いや・・、神様が本当にいるとは、ついグチを聞かせてしまって
申し訳ありません」
「久しぶりに、人間世界の話を聞いたよ、相変わらずの世であるな」
「私は、もう60歳を超えました、この先を思うと生きていく希望がないのです」
時の神は、光男の姿をじっと見るのだった。
続く

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光男が林の中で見つけた祠の前で、
自らの人生のグチを言っていたのだった。
しばらくして、白い物が近づいてきた。
「そうか、そうか、それはかわいそうじゃのう」
「あ! びっくりした、・・・あなたは‥、どなた様で」
「ああ、わしは、この祠にいる時の神じゃ」
「え、神様? それはそれは」
光男の前に現れたのは、時の神だという。

「最近は、誰も来なくなってのう。いささか退屈しておった」
「いや・・、神様が本当にいるとは、ついグチを聞かせてしまって
申し訳ありません」
「久しぶりに、人間世界の話を聞いたよ、相変わらずの世であるな」
「私は、もう60歳を超えました、この先を思うと生きていく希望がないのです」
時の神は、光男の姿をじっと見るのだった。
続く

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小話:時の雲隠し その5
小話:時の雲隠し その5
時の神は、光男を見つめるのだった。
そして、近づいた。
「そうじゃのう、不運が続いたか、それは気の毒じゃった」
「まあ、そういうわけで、この通りです」

時の神は、光男の人生を憐れむのでした。
「ワシはな、最近仕事をしていないからな、
久しぶりに、やるとするか」
「はあ、何の仕事ですか」
「うんまあ、あのな・・、オマエさんの戻りたい時の人生に、
戻してやろうかとな」
「え! 戻りたい時に・・ですか」
「そうじゃ、戻りたい時にじゃ、40代でも30代でも、戻りたい時期を示せば、
その時に戻してやろう」
「すると、戻った時期から、人生をやり直せるのですか」
「その通りじゃ」
「ほ、本当ですか、そんなことができるのですか」
「ああ、出来るのじゃ、ワシは時の神じゃからのう」
光男は、自分の人生を振り返るのだった。
「ええ、オレは何時の時に戻れば一番いのだろうか」
続く

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時の神は、光男を見つめるのだった。
そして、近づいた。
「そうじゃのう、不運が続いたか、それは気の毒じゃった」
「まあ、そういうわけで、この通りです」

時の神は、光男の人生を憐れむのでした。
「ワシはな、最近仕事をしていないからな、
久しぶりに、やるとするか」
「はあ、何の仕事ですか」
「うんまあ、あのな・・、オマエさんの戻りたい時の人生に、
戻してやろうかとな」
「え! 戻りたい時に・・ですか」
「そうじゃ、戻りたい時にじゃ、40代でも30代でも、戻りたい時期を示せば、
その時に戻してやろう」
「すると、戻った時期から、人生をやり直せるのですか」
「その通りじゃ」
「ほ、本当ですか、そんなことができるのですか」
「ああ、出来るのじゃ、ワシは時の神じゃからのう」
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「ええ、オレは何時の時に戻れば一番いのだろうか」
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