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小話:夕焼け小焼け

小話:夕焼け小焼け 

正雄は小学校の4年生だった。

「おーいみんな、この前の算数のテストを返すぞ」
ブログ小話:テスト
この前、抜き打ちにテストをしたのだった。

「おい、正雄、普段からしっかり勉強しとけ!」
「えー・・、はい」

学校の帰りは、たいがい芳夫くんと一緒だった。

「なあ、芳夫、お前何点だった」
「うーん、オレか、まあまあだよ・・」
「まあまあかよ、じゃいいな。オレは10点だった、一つしか合ってなかったよ」
「そうか、10点か・・、オレは15点だよ、あんまり変わらねえな」
「だってよ、いきなりテストだもんな、ひどいよ・・」
「このテスト、家に持って帰って見られたら、まずいからオラはいらねえや」

芳夫君は、テストをくしゃくしゃに丸めて、ポイと捨てたのでした。
ブログ小話:テスト2
「ありゃ、捨てるの・・、じゃオレもいらないや、こんなの」
と、言って正雄もテストを丸めて捨てたのでした。



続く


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小話:夕焼け小焼け その2

小話:夕焼け小焼け その2

次の日の日曜日に正雄は芳夫の家に遊びに行った。
日曜は、正雄と芳夫は山や川へ行って大概一緒に行動をしていたのだ。

「さあ、今日もいい天気だ、思いっきり遊ぶぞー」
「おーい、芳夫 いるかー」
夕焼け小焼け3
いつもは、芳夫が飛び出して来るのに、今日は音がない。

あれ、おかしいな。
「おーい、芳夫ー・・・」

数回呼ぶと、家の後ろの方からそおっと、芳夫が出てきた。

「正雄・・、悪いけど今日は一緒に遊べないや」
「えー、どうして」
「実はな、あの算数のテスト捨てたろ」
「ああ、・・・それがどうした」
「その紙を拾った人がいてな、母ちゃんに届けたんだよ」
「え!・・・そうなんだ」
「うんでさ、母ちゃんと父ちゃんに、こってり怒られてしまったよ」
「・・・」
「正雄のもあってな」
「オラのもかよ・・・、見られたんだ」
「ああ・・」

「でさ、正雄君とはもう遊ぶなってさ・・・」
「そうか・・、で、どうすんの」
「うん、これからは心之介君とかと付き合えだって・・」
「心之介 ! あいつは頭いいからな」
「うん、悪いな、だから今日は一緒に遊べないよ、見つかるとやばいし」

「分かった、分かった」

正雄は、芳夫の家を離れて一人で、川に行って雑魚取りをした。

「おーおー・、いるいる」
「ほれ 取ったぞー」

やっぱりな、一人で遊んでてもつまらないな。

そこへ、小さな子供たちが数人やってきた。
「正雄兄ちゃん何やってんのー」
小話:夕焼け小焼け4
「おー!雑魚だよ‥、雑魚  ほれ取ったぞー」
「ああ、本当だ  魚取ってる。いいなー」

「こちへ来いよ、取り方教えてやるぞー」
「えー本当、おい、行こう」
「うん、行こう行こう」
「わーいわーい」

小さい子供たちは、正雄のいる川へ走って行くのだった。


続く

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小話:夕焼け小焼け その3

小話:夕焼け小焼け その3

小さい子供たち、小学1・2年の子たち3人が正雄のいる、
川へ走ってきた。

「よーし、今から、雑魚の取り方を教えるからな」
「わーい、雑魚取りだー」
「ボクも、取りたーい」
「教えてー・・・教えてー」

「ほら、この箱板にガラスがあるだろう、これを水の上に乗せるんだ」
「どれどれ、あ! 水の中が良く見える」
「そうだろう、雑魚が泳いでるのを見つけるんだ、いいかい」

正雄は得意になって、雑魚を探すのだった。
小さい子たちも、大喜びで夢中になった。
小話:夕焼け小焼け5
そして、川の中で転んだりしてずぶぬれになったりした。

しばらく川で正雄と一緒に雑魚取りを楽しんだ小さい子たちも
川から上がった。

「いや濡れちゃったな」
「うん、でも気持ちいい」
「「楽しかったな」
「正雄兄ちゃん、又一緒にやろう」
「ああ、いつでもいいよ、今度はもっと大きいのを捕まえような」
「そうだ・・そうだ」

小さい子たちは、濡れた靴をぎゅちゅぐちゅ音を出しながら帰って行った。

正雄も土手に上がると、心之介がやってきた。
「あれ、正雄君」
「心之介か、珍しいな何処へ行くの」
「いや、伝次郎さんとこへ行っての帰りだよ」
夕焼け小焼け5
「伝次郎さん・・、あの物知りだっていう人」
「そう、どうしても知りたいことがあってさ」
「へー、熱心なんだね」
「「気になると、落ち着かなくってさ」
「そんなもんかね・・」

「あのさ、心之介は将来何になるの」
「僕か、親は医者になれって言ってるけど、政治家でもいいかな」
「え、お医者さんにか・・」
「正雄君は」
「オレ・・、オレはそんな事考えたことないよ」
「人生の目標とかは、早く決めておいた方がいいんだってよ」
「そうか・・」

「どう、これ、岩魚。欲しかったらあげるよ」
「いや・・、いい」

正雄は、心之介と別れて、少し考えるのだった。


続く



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小話:夕焼け小焼け その4

小話:夕焼け小焼け その4

心之介と話したことが、どうも気にかかる正雄でした。

偉いもんだな、自分の将来を定めてるなんてな。

オレは、どうなんだろう。
このまま、大きくなっていくんだろうか。

その日の夕食の事だった。
正雄は、聞いたのだった。
夕焼け小焼け6
「父ちゃん、母ちゃん・・、あのな・・」
「うん、どうした、メシまずいか」

「いや、そうじゃなくて、オレ、オレさ、学校出たら何になったらいいいんだべ」

父  「学校出たらッて、オメ、まだ卒業じゃねえべ、中学校だってあるべし」
正雄 「だからさ、中学校とか、その上の高校とかを終わっったらさ」
父  「そうか、子供と思ってたけど、そんなこと考えていたのか、立派になったもんだ」

母  「なあに、ちっとも立派なもんじゃないよ、この間、0点のテストを芳夫君の母ちゃんが、
   持ってきてなや・・、オラは恥ずかしいったら‥、ねかったよ・・、まったく」

正雄 「0点じゃねえよ、10点・・・、一つ合ってたんだから」
母  「同じようなもんだろうが、将来何になるだって、なれるのなんかねえだろうに」

正雄 「あのテストは、ほれ! いきなりやられたからさ・・・」

父  「そうか、勉強はダメか・・・、学校終わったらな、まあオメは長男だからな、
   オレと一緒に稼ぐか」
正雄 「父ちゃんと一緒に稼ぐってか」

父  「ああ、百姓やったりな、トメさんとこの大工や、ヒロさんとこの左官を手伝ったりしてよ」
母  「駄目だよ、そんな事じゃ食ってくのにやっとだよ」

将来何になるかの答えは結局でなかった。
学校の成績からしたら、親も考えつかないというか、あてにならないのだろう。

その夜、父ちゃんと母ちゃんが、何やら話をしていた。
母  「遊んでばかりいるからダメなんだ、あんた怒ってよ」
父  「まあ、元気でいればいいんじゃないか」
母  「また、そんたなこと言って、だから駄目なの」

てなことを聞きながら眠りについたのだった。


続く




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小話:夕焼け小焼け その5

小話:夕焼け小焼け その5

正雄は学校の休み時間に、図書室へ行って見た。

初めて図書室へ入ったのだった。

「わー・・、ここが図書室か」

本棚があって、沢山並んでる。
夕焼け小焼け7

正雄は、本を取り出しては、めくってみたりした。

何を読んだらいいのか迷うのだった。

まあ、とりあえず面白そうなものを探し出した。

「冒険もの、だな・・、へへへ・・」
夕焼け小焼け8
それは、帆船時代に荒い海を航海する話だった。

「海か・・・、船か・・、嵐か・・・」

次々と危険と遭遇して行くのだった。

正雄は夢中になって読むのだった。


続く


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プロフィール

大坊峠のツッチー

Author:大坊峠のツッチー
岩手県は北緯40°に位置する岩手町から地域の情報を発信します。山里で農業を営み、昭和26年生まれの人生と、方言による創作小話・童話を綴ります。尚、作品は著作権とし、無断使用はお断りします。

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