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方言小話:歴史ミステリー「大蛇」その1

方言小話:歴史ミステリー「大蛇」その1

大助の住む村は、まんずのどかな所でがんした。
四周を山に囲まれてなや。

大助は村の歴史に興味を持ってらったな。

この村は、大昔は沼だったと云う。
その沼には大きな大蛇が住んでいたんだと。

ときどき姿を現しては、村人を襲い苦しめていたんだと。

ある晴れた日に、大助は歴史探検に出かけたんだとさ。
村の歴史 2
「よーし、今日はあそこに行って見るか」
そこは、村を一望できる小高い丘で神社がある処でやした。

「ほーっ、いいながめじゃなや~」
村の歴史 3
村の集落や田畑のあたりを見ていたんだよ。

「ふーん、何処が沼だったんだろうな、さっぱり分からねぇなや」

沼の大きさってどの位かな。
大蛇って本当にいたんだべか。

などと、思いを巡らしていたんだと。

すると、急に風が吹き出してな地面が揺れたんだと。

あれ、おかしいなと後ろを振り向いたら何と
大きな化け物が顔から赤い舌を出して近づいてくるではねぇか。
村の歴史 4
「わーっ、これは何だー」

大助は、ビックリして逃げたんだと。

【続く】

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方言小話:歴史ミステリー「大蛇」その2

方言小話:歴史ミステリー「大蛇」その2

大助は、村に伝わる沼や大蛇を調べようとして、
丘に登って眺めていたところ、突然大蛇が現れたのでがんした。

「た・・た・・助けてくれーーー」
大助は、急いで逃げた、逃げた。
村の歴史 5
丘を下って、そりゃもう必死だったなや。

後ろを振り向くと、まだその恐ろしい大蛇が追ってくるでねぇか。
走る走る。息を切らして走る。
村の歴史 6
ようやく、民家のある所までたどり着いた。

そこに、大きなカメがあるのを見つけたのでがんすよ。

「おお、いいのがある。助かった。ここさ入るべ」
カメ
大助は、急いでカメの中に入り蓋をしたんだなや。

「よしこれであんしだべな」
大助は、カメの中でじっとしていたのさ。
カメ 2
大蛇は追っかけて来てな、
「ふん、なんだこのカメは・・」
ってな、真っ赤な舌をぺろぺろ出してなや。

「なむさん・・なむさん」
大助は、拝んだと。

【続く】

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方言小話:歴史ミステリー「大蛇」その3

方言小話:歴史ミステリー「大蛇」その3

恐ろしい大蛇から逃れてきた、大助はカメに隠れたのでがんしたな。

その大蛇は、すぐに、追ってきたんじゃよ。

「うーっ、カメか酒でも入ってるか」
と、言ってカメのまま飲んでしまったんだ。
大蛇に
「うーっは・・、ごっくん」

大助の入ったカメは、大蛇に飲み込まれてなや。
たいへんだじゃ。

大助は、懸命にカメの蓋を抑えてこらえたんだと。

やがて、カメは静かになり動かなくなってなや。

はて、どうなったんだべなって。
大助は、そうっとカメの蓋を開けてみたんだと。

「うん、此処は何処だ・・、助かったか」

大蛇は、ウンコと共に、大助の入ったカメを放りだしたようだな。
歴史 7
大助は、カメから出て辺りを見渡すと、木が倒れたり、
家が壊されたりしていたんだと。

「や、や、や・・こりゃ~大変だなや」

道を歩いてると、
へたり込んでる人がいたんだと。

「どうすたんべな」

「いや~、又、大蛇が出て村は荒らされてすまったじゃ」

男は、途方に暮れていたんだな。

「その大蛇は、何処へ行ったんだべ」

「ほれ、あの沼じゃ、あの沼に住んでるんじゃよ」

目の前に、大きな沼が広がってたとよ。
歴史 8
大蛇は、この沼に住んでいて腹が減ったりすると、
出てきては、村人を襲うんだと。

「ふーん、そうか」

大蛇に沼か。
大助は、本当にいたのかと驚くのだった。


【続く】


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方言小話:歴史ミステリー「大蛇」 その4

方言小話:歴史ミステリー「大蛇」 その4

大蛇と沼が確かにあるんだな。
大助は不思議な感情に浸ったんだな。

どうも、おかしいなやって。
さっきの村人の服装はいつの時代だろう。
ずーっと、前だな、ありゃ。

大助は沼の周りの村を見て歩いたんだと。
歴史 9
村のあちこちで、家が倒れたりして人々は泣き崩れていたんだなや。

「お母ぁー、おっ母ぁー」
「おー、よしよし、もう大丈夫だ、だいじょうぶだ」


どうも、大蛇ってのは恐ろしいもんだなや。

それにしても、あんなに大きい化け物だとはな。
などと、思いながら歩いてると、杖をついてくる爺さんと出会った。

「もし、見なれないお方だが、どちらから来なすっただ」
「いや、私もここの村の者ですけど」

「はてな・・知らんな」
「実は、私も良くは分からんのです、突然大蛇に襲われたんですよ」

「うむ、大蛇にな」

大助は、爺さんにどう説明したらいいのかと、考えるのだった。

そこへ、白い着物を着た、婆婆が現れたのでがんすよ。

「庄屋の正吉さま、正吉さま」
「なんだ、フミ子」

フミ子と、呼ばれた婆婆は、祈祷師だったんだな。
歴史 10
「正吉さま、お告げがありました」
「ほーっ、なんたらべ・・・な」

「助け人が現れると」
「助け人が・・・か」

爺さんは、大助の姿をまじまじと見るのだった。

「そうか、助け人か・・・どうりで服装も我々と違う」
「いや、私はただの通りすがりのもんでして」

爺さんは、大助の手を取って、
「お願えだ、我々を助けてくれ、知恵と力を貸してくれ」

大助は、庄屋の正吉さんの家に連れて行かれたんだと。
そしたらな村の男衆が集まってきたんだと。
歴史 11
「おーっ、皆の衆、良く聞いてくれ」

「何だす」

「助け人が来たんだ、此処にいる若いもんだ」
「おーっ、この人か・・・」
「何かおかすね、着物着てんなや、都から来たのすか」
「名前は何といいなさる」

「そうだ、名前を聞いてなかったなや」

大助は、どうもそんなつもりは毛頭ないし、恐れ入ってしまったんだな。
「いやー、あのー、名前は大助と云います。ふでも力になれるかどうかは・・」

「何と大助だとな、良い名前でがんす、大助けだよな、な、な」
「ふだ、ふだ」

大助は村の皆から頭っこ下げられたんだとよ。

いや~困ったなや・・・。


【続く】



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方言小話:歴史ミステリー「大蛇」 その5

方言小話:歴史ミステリー「大蛇」 その5

村人達から、助けを求められた大助。

「困ったなや~・・・、オラはそんただ事で切る訳なえぇよな」
などと、途方にくれていたんだとさ。
歴史 12
村人も、大助と云う変わった若者に期待をしたんだが、
さっぱり行動しないもんだから、少しづつ離れだしたんだと。

「あの人は、なんじょだべ・・・」
「ふんだなや、腰に刀もないようだしな」

「本当に助け人だべか」
「祈祷の婆婆が、そう言ったんだべ」

「何だか、あてにならねぇな」

そんな、会話が流れ出したんだと。

そんな、ある日の事大助が
道を歩いていると、双眼鏡が落ちていたんだな。

「あーっ、オラのだ、良かった」

大蛇から逃げてる最中に落してたんだな。
大助は双眼鏡を拾って首からかけたんだ。
歴史 13
「ふーん、どれどれ、あっ見える見える、壊れてない」
大助は、村のあちこちにむけたんだな。

誰だあの人は、小次郎さんかカカ様に怒られてるな。
歴史 14
友彦さんは、よう稼ぐなや、薪を3っつも背負ってる。

大助は、村の人の生活を眺めるのでやんしたなや。

村の家のある所へ行くと、小次郎さんがいたんだな。
「やーっ、小次郎さん、カカ様にやれましたな」

「えっ、何で知ってるんですか」

「仲直りした方がいいですよ」
「いやぁ~、恥ずすなや、他さば黙っててけろなっす」

歴史 15
今度は、友彦さんに出会ったのでがんすよ。

「や~、友彦さんは働きもんでがんすなや、薪を沢山背負って
大変でがすね」

「えー、早く運ばねばなくては、・・あれ、何で知ってるんでがんすべ」

大助は、村人に双眼鏡で見た事を色々語ったり教えたりしたんだな。

あそこの山の栗は、丁度今いい所だとか、どこそこに実の成る木があったぞかなや。

村人の大助を見る目が変わってきたんだな。
「あの御仁は、やはりただもんじゃねえぞな」
「ふんだ、オラのことをよく知ってたもんな」

大助は、村人から一目おかれるようになったのでやんすよ。

【続く】


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プロフィール

大坊峠のツッチー

Author:大坊峠のツッチー
岩手県は北緯40°に位置する岩手町から地域の情報を発信します。山里で農業を営み、昭和26年生まれの人生と、方言による創作小話・童話を綴ります。尚、作品は著作権とし、無断使用はお断りします。

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