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童話:ソリっこ遊びに行く その6

童話:ソリっこ遊びに行く その6

みんながソリで遊ぶ場所に着いたマサ男は、
一目散に駆け上がるのだった。

「オラも一緒に遊ぶー」

「オラもソリっこで滑れるぞー」

てな、もう天上の方まで行ったのだ。
ソリっこ遊び 12

ところが、みんなが遊んでる所は雪が固まって、
ツルツルでな。

勢いが良すぎて、ひっくり返ってしまった。

もう一度、ソリに乗って滑ると、今度は横に向いてしまい
又、転んでしまった。

マサ男がいつも遊んでる、山奥の家の雪とは全然違う。
まるで氷の上にいるようだ。

しかし、みんなは上手に滑っている。

「ようし、今度こそ」
と、滑るが、勢いがつき過ぎてやっぱりひっくり返るのだった。

マサ男は、とうとう動けなくなった。
ソロ遊び 5
「ありゃ、オメはマサ男か」
側の家の伯母さんが、見つけてやってきた。

「何してオメ、此処にいるんだ、誰と来たんだ」

マサ男はもう、元気なく起き上がる事が出来なかった。

「ありゃ、まあ、こんなに手も、しゃっこくなって」

叔母さんは、マサ男を抱きかかえて、家に連れて行き、
コタツに入れたのだった。
ソリ遊び 6
マサ男の着物は濡れ、手は冷たくかじかんでいた。

「よくまあ、こんなして遊んでたもんだな」
叔母さんは、手をさすり、足をさすりして温めてやるのだった。

マサ男は、コタツの中で、意識がもうろうとしていた。
そしてそのうちウトウトし出したのだった。


【続く】


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童話:ソリっこ遊びに行く その7(完結編)

童話:ソリっこ遊びに行く その7


母ちゃんは、息を切らして里までやってきた。

そして、ソリで子供等が遊ぶ場所に到着した。

きっとここにいるはずだ。

「ねえ、マサ男を知らない」
「マサ男、さあ知らない」

「ねえ、うちのマサ男見なかった」
「えー、見てないな」

山奥に住んでる子の顔や名前を知ってる子はいないのだ。
ソリっこ遊び 14
「小母ちゃん、さっきさ、倒れてる子がいてさ、
此処の伯母さんが連れていったよ」

「ホント!、ありがと」

母ちゃんは、急いで叔母の家に走っていったのだった。

「あー、マサ男・・・此処にいたのか」
ソリ遊び 7
マサ男は叔母の家のコタツに入り、すっかり寝ついていた。

「ほんに、この子は、心配かけて」

母ちゃんは、マサ男の寝顔を見てほっとするのだった。

マサ男を起こして、叔母に礼を言った。
「申し訳ねぇなす、ほんに迷惑かけやんすた」

「それにしても、良く一人できた事よ」
「うんだ、全くこのバカたれが」

「まあそう云わず、休んでけ」
「あるがたい事だども、家さヒロ子を置いてきたから」

母ちゃんとマサ男は、帰り仕度をした。
ソリっこ遊び 13
山奥の家に向かって、歩き始めた。

「なして、此処まで来た」
「だってさ、オラもみんなと一緒に遊びたかったんだもん」
「そうか・・・、一杯遊んだか」
「それがさ、転んでばっかりだった」
「どうして」
「滑り過ぎるんだ、ツルツル、テカテカでさ」
「・・・・」
「オレさ、ヒィ婆ちゃんに会ったよ」
「ヒイ婆ちゃん? 何処で」
「墓んとこで」
「墓で、ホントかい」
「うん、優しい婆ちゃんだたちょ、オレをさ守ってくれるんだって」
「そう、・・・・そうか。じゃ帰り墓を拝んで行こうか」
14ソリっこ遊び 
「さあ、急いで帰ろう、ヒロ子が待ってるから」

マサ男は、母ちゃんの後を話しながらついて行った。

里から離れた山奥の家に帰る母と子の姿。
そこは、春まで、雪に閉ざされるのである。

おしまい。   どんと晴れ

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プロフィール

大坊峠のツッチー

Author:大坊峠のツッチー
岩手県は北緯40°に位置する岩手町から地域の情報を発信します。山里で農業を営み、昭和26年生まれの人生と、方言による創作小話・童話を綴ります。尚、作品は著作権とし、無断使用はお断りします。

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