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童話:馬っこ

童話:馬っこ

ある村の事でがんした。
馬っこ 4
その家には、爺ちゃん、婆ちゃんと父ちゃん母ちゃんに
ワラス子達4人がいたんだと。

馬っこも飼っていてな、貧すいけどもな、
皆すて、力っこ合わせて暮らすてたのさ。
馬っこ

ところがよ。
あるとき、母ちゃんが具合が悪いって、倒れてすまってな。
馬っこ 2
「母ちゃん、・・・なんじょすた」
て、ワラス達は心配してな。

「なあに、二三日休んでいれば治るから」
てな床に臥すてらったのさ。

ふでもな、全く良くなる気配がなくてな。
マンマも食えなくなってすまったとよ。

【続く】

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童話:馬っこ  その2

童話:馬っこ その2

「母ちゃん・・・、なんじょすたべ」
ワラス達の不安はたかまるばかりでなや。

「これだばは、医者さ診せねばわかねべ」
てな、皆捨て母ちゃんをリヤカーに乗せて町の病院へ行ったんだとさ。

そしたらば、
「ふー・・・、こりゃ~、大きな病院で検査して貰わねば駄目だな」
て、云われたのさ。

それでな、汽車さ乗って大きな病院へ行ったのよ。

そしたらば、
「手術さねば、大変な事になります」
てな。
馬っこ 3
ベットに横たわる母ちゃん。

「申し訳ね~なす。こんただ身体になってすまっては~・・・」
て、小さい声で謝ったのさ。

手術するには金がかかる。
父ちゃんはウロウロしてな。
「なんじょするべ、なんじょするべ」
てな。

家さ帰った父ちゃんは、
爺ちゃんと婆ちゃんの前で、手っこついて頭を下げたとよ。

「頼む・・・、馬っこさ売ってけろ」

「アオをか・・・」

馬のアオは力があって働きもんだった。
荷物を運んだり、田を起こしたり、山から木を引っ張ったりしてなや。
皆と一緒に大事にして暮らしてきたのだった。
馬っこ 5
「お願えぃだ。オラのカズ子を助けてけろ」

父ちゃんは、一所懸命爺ちゃんと婆ちゃんに頼んだとよ。

【続く】

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童話:馬っこ その3

童話:馬っこ その3


馬っこのアオは、馬くろうに売り連れていかれたのだった。
馬っこ 5
長年一緒に暮らしたアオは首を振り振りしていだったどよ。

「アオ、他さ行っても達者でな・・」

爺さん、婆さんはアオを何時までも見送るのだった。

母ちゃんもいない、馬のいない生活は、ほんに寂しいもんだったとよ。
黙って座ってばかりでな、誰も何もしゃべらねえでな。
馬っこ 6

「父ちゃん。・・・母ちゃん、手術終わったべ」
「うん、終わった」
「したら、なんじょだ・・・オラは、せつね」

「オメ達の母ちゃんは、きっと大丈夫だ、きっとな」

「母ちゃんは、朝早くから稼いでらったもんな。
オラは手伝いもさねで、申しわけなかったな」


家族皆して、母ちゃんの無事を祈るのだった。


【続く】


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童話:馬っこ その4

童話:馬っこ その4

母ちゃんの手術は無事に終わってな。
しばらくして、家さ帰って来たんだとさ。

「あーっ、母ちゃんだ、母ちゃんだ」
もう、ワラス達は大喜びでな、すがりついたんだと。
馬っこ 7
母ちゃんも一人一人、しっかり抱きしめたんだと。

「ごめんね、心配かけて」

母ちゃんは、馬のアオのいる小屋に行って見たんだと。

「あれ! 静かだな。・・・アオがいねぇ」

「父ちゃんアオなんじょした」
馬っこ 8
「うん、・・いや、ほれ、オメのさ、手術代でさ・・売ったんだよ」

「えーっ、なんしてな」

母ちゃんは、アオのいない小屋の前大きな声で泣いたんだと。

「アオーっ、許してけろな」

母ちゃんは、爺ちゃんと婆ちゃんの所さ行ったどさ。

「まことには、許してくなんせ」

「いやいいんだ、いいんだ。オメが帰ってきてくれたからなや」

「ふだふだ、このワラス達を置いて先に逝かれたら、オラども何じょすたら
いかんべかと苦見たんもんだよ」
馬っこ 10
爺ちゃんも婆ちゃんも、母ちゃんの元気に帰ってきた事を、
喜んでくれたのでがんした。

「あるがとがんした。おかげさんでがんした」
母ちゃんは、何度も何度も頭をさげたんだとよ。


【続く】



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童話:馬っこ その5

童話:馬っこ その5

母ちゃんがいる家族は、明るくなったとな。
元気がでてなや。
力が自然に湧いて出るようだったとさ。

皆が働いたんだとさ。
馬っこ 9
「おーい、こっちを手伝ってくれ」
と、言う声がすると。

「今行くよ」
ってな、大変な作業もすぐにかたづいたんだってよ。

そしてな、そしてな馬を飼う事が出来るようになったんだとよ。

新しい馬の名前は、
やっぱり「アオ」にしたんだとよ。

「わーい、わーい、アオだ、アオだ」
って、みなして、可愛がったんだと。

アオは、やっぱり働きもんだったとさ。
力もあるし。仕事も益々捗ったんだと。
馬っこ 12
秋仕舞いも終わると、正月が来た。

「おーい、集まれ」
爺ちゃんが皆を呼んだとさ。

「今年は馬年だ、アオと一緒に祝うべ」

アオは、皆に囲まれて、勢いよくこたえたんだとさ。

「ヒヒーン」

                       どんと晴れ




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プロフィール

大坊峠のツッチー

Author:大坊峠のツッチー
岩手県は北緯40°に位置する岩手町から地域の情報を発信します。山里で農業を営み、昭和26年生まれの人生と、方言による創作小話・童話を綴ります。尚、作品は著作権とし、無断使用はお断りします。

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