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裕次郎だった

方言小話:裕次郎だった
裕次郎だった奴
オラの村に裕次郎がいた。
7つほど年上の人で、
背が大きくてすっらとして、男前だった。

外出するときは、いきな格好をしていた。
歩く姿が、裕次郎だった。

街中を歩き、店に入ると女もホッテおかない。
乱暴な口利きだが、面倒見は良く支払いもキップが良かった。

裕次郎は、家を出て稼いでいたが、
長男だったので、親の後を継ぐために、村に帰ったのだった。

奥さんは美人だった。
裕次郎は奥さんを連れて歩いていた。

やがて、裕次郎は実家を出され、親とは別に暮らしたのだった。
そのうち奥さんは子供を連れて家を出て行った。

裕次郎は一人になった。
酒を飲み、朝から息が臭かった。
人との付き合いもしなくなった。

たまに合うと、やはり裕次郎だった。
「おい、元気でいるか」
と、声をかけて、煙草を取り出して吸う。

ある秋の日、裕次郎は、道端で倒れそのまま亡くなった。
早く逝ってしまったのだ。

葬儀は寂しく、それらしい女の人の姿はなかった。

オレは雪解けの道を歩いて、
裕次郎の捨てた、煙草の空き箱を見つけた。




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プロフィール

大坊峠のツッチー

Author:大坊峠のツッチー
岩手県は北緯40°に位置する岩手町から地域の情報を発信します。山里で農業を営み、昭和26年生まれの人生と、方言による創作小話・童話を綴ります。尚、作品は著作権とし、無断使用はお断りします。

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