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方言小話:神の声

方言小話:神の声
第1話:懺悔の日々

ある山の奥に一人の男が住んでいたんだと。
家は荒れはてて、ぼろ屋だったと。
男は、先祖代々の財産、田畑を失ったんだと。
田畑を食った男
もう、何にもする気がなくてな、
木の実とか草の葉、根とかを食ってたんだと。

傍らにな、先祖代々の氏神様の祠があったんだと。
男は、そこさ行って手を合わせてたんだと。
田畑の男
「申し訳がない・・・このようになってしまってな」
氏神様は、いつも黙って聞いてたんだと。

近くに先祖の墓もあって、そこさも行って拝んだりしたど。
田畑 2
墓の中の先祖達は、カンカンになって、怒ってらったど。

「こんな奴は、顔を見たくない、この墓さば入れねえぞ」

先祖達は、氏神様の所へ行って頼んだと。

「あいつをここから追い出してくれ」

氏神様は、困ったんだと。
この家の人たちが生きてる時は、祭りをしたり供えをしたりして
そりゃぁ、大事にしてくれたんだとな。

【続く】

第2話:急展開     お楽しみに。


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方言小話:神の声 その2

方言小話:神の声
第2話:急展開

男は、氏神様に手を合わせる。
申し訳ありません。詫びるだけがんす。

氏神様は、この男のご先祖達に追い出してくれと頼まれていたのだった。

この家には先祖代々随分世話になったもんだな。
それも、この辺が潮時かと思ったんだと。

「明日の午後2時に、街の銀行へ行ってみろ」

何だ今のは、男は確かに声を聞いたのだった。
小屋に戻り、じっと考えたんだと。

まあ、どうせ何もないから取りあえず行って見ようとなったど。

翌日久しぶりに、服を着て町へ下り銀行へ行ったんだと。
中に入ったが、通帳もないしと、壁際の椅子に座ったんだとよ。

客も減りそろそろ男の番かなと思った時に、
入口から覆面の男がピストルを片手に入ってきたんだと。

「手を上げろ、その場に立て」
強盗
強盗か、ギャングか、大声で叫ぶ。
中は緊迫し静まり返る。

中の若い行員が動いた瞬間、
バーンと、ピストルが火を吹き、行員は倒れたんだと。
「動くな、金を持ってこい・・・」
支店長にピストルを向けたんだと。

支店長は慌てて、札束をかき集めて持ってきたんだと。
「こ・これで全部です」
震える声で言ったんだと。

再びピストルがバーンと火を吹き、支店長は倒れたたんだと。
今度は、副支店長に銃口を向けて、
「金庫から、全部持ってこい、いくらあるか知っているぞ」
と、叫んだと。

副支店長は金庫を開けてお金を持って来たんだと。
「袋に詰めろ」
札束を袋に詰めさせたんだと。

強盗は、椅子に座っている男を見て、
「おい、そこのお前、袋を外の車に積め」
男は、袋を運び車に積んだんだと。

「よし、お前は人質だ、乗れ」
と言って、車に押し込み車を走り出したんだと。

車は、どんどん速度を上げて町を離れていったんだと。

【続く】
第3話:大金を前に   お楽しみに


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方言小話:神の声 その3

方言小話:神の声 その3
初めての方は、「神の声:1話」からお楽しみください。

第3話:大金を前に

強盗の車は、町を離れ山道に入ったのだっんだと。
強盗は、車を止めたと。

「よし、降りろ。有難うよおかげで早くいった。これは礼だ」
と、言って袋を一つ放り投げて走り去ったんだと。
礼金
男は、礼か。そうかそうなんだ。
と、袋を背負いながら山道を越えて小屋に帰ったんだと。

強盗は、隣の町に入ったんだと。
すると、前に検問所が出来てたんだと。

「こりゃいかん・・・」
急いでUターンをしたんだと。
パトカーがサイレンを鳴らして後ろから追ってきたんだと。

強盗は、カーブを曲がり切れずに、岩壁にぶつかってしまったど。
車に火がついて、燃えたんだと。
男の焼死体が見つかり、積んである袋も燃えてしまったんだと。

検分で、人質になった男がいたはずだがと、捜したが特に問題にもされずに、
事件は片付いたんだと。

山小屋の男は、しばらくぼーっとしてたんだと。
金の悩み
オラは、氏神様の声を聞いて街の銀行へ行ったら、
金を貰って帰ってきた。

あの覆面の男は、礼だと言った。オラは良い事をしたんだべか。

大金の入った袋を枕に悩むのだった。

【続く】

第4話:ありがとうね   お楽しみに



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方言小話:神の声 その4

方言小話:神の声 その4

初めての方は、第1話からお読みください。

第4話(最終):ありがとうね

大金を枕にして考えていた男は、
ある日、山を下りて街へ出たんだと。
行き交う人は働いて、誰も見向きもしなかったんだと。

日々の生活に金が必要なんだな。
俺もかつてそうだった。
金持ちになるために、豊かになるために、次々と事業に
手を出した。

挙句全てを失った。何故だったろうか。

男は、空を見上げながら考えたんだと。

俺は、田舎育ちだった。世間を知らなかった。
金を貯めて、財をなそうとしたのだ。

それは間違いだったのだ。
最初から金持ちもいるのだ。
スタートが違うのだ。だから道を間違うのだ。
金持ちは、何時までも金持ちで優雅である。

それだ、そうしよう。

男は、別荘を買い取り山小屋を出たんだと。
日々メイドに囲まれて過ごす生活を始めたんだと。
最後
男は優雅な生活を満喫したんだと。
食事は3食から4食になり、酒も飲み量はだんだん増えて行ったんだと。

やがて、肥満になり倒れた。
最後に、
「ありがとう」
と言って息を引き取ったんだと。

骨は遺言により、古里の山に散骨したんだと。
山小屋にある祠と、墓は無縁となっていたんだと。

やがて、朽ちて歳月とともに消えたんだとさ。

                 どんと晴れ

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プロフィール

大坊峠のツッチー

Author:大坊峠のツッチー
岩手県は北緯40°に位置する岩手町から地域の情報を発信します。山里で農業を営み、昭和26年生まれの人生と、方言による創作小話・童話を綴ります。尚、作品は著作権とし、無断使用はお断りします。

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