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のっぺら坊にあったら

のっぺら坊に会ったら

何気ない何時もの場所
川土手に、さっきからずーっと座ってる人が居る。
誰だろうと近づいた。
のっぺら坊 2
「どうも、今ちわ、いい天気で良ぉござんしたね」
「・・・・・」

「何してんですか、何かありますか」
「・・・・・」

「ワラス(子供)の頃は此処で良く、ジャッコ取りすたったなや・・・」
「・・・・・」

「あれ!、着物ですか。珍しいな何処から来たすか・・」
「・・・・・」

そして、やおら立ち上がって振り向く。
のっぺら坊にあったら
「何処から来たって・・・」

口が無い、目が無い、鼻が無い男が立ちあがる。

「えっ・・・、えっ・・・」

「俺は、ずーっと此処にいたんだよ」
「えっ・・・」

オラは後ずさりをして逃げ去った。

しばらくして、川の土手を見たら、誰もいない。
その場所に行ったが、何の気配もなく、川の水が静かに流れている。

この話を村人に言っても笑われるだろう。
きっと、貴方も笑うだろう。

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正月気分を一掃する話をしよう

正月も4日を過ぎた。
テレビのお笑い番組を何時までも見ているわけにはいかない。

ある人の話をしよう。戦前の事である。
隣村に用事があって行ったのだが、帰りは遅くなってしまった。
暗い夜道を行く
月は無く、曇り空から星がわずかに見えているだけだった。
夜道はぶっそうなので、棒を拾って歩いた。

辺りに民家もなく寂しい道である。
ふと前ををみると、何やら白い物が近づいてくる。

頭の髪を振り乱している。
ぎょ! 何だ何だ・・・。

口元も赤く大きく裂けてるような気がする。
暗い夜道 2
女か・・・、お化け、幽霊、キ・・キツネ・・・

すっかり体が固まってしまった。
足がすくんでしまった。動けない。

白装束の塊がどんどん、近づいてくる。

たた・・大変だ。後ろにも前にも誰もいない。






※ さあ、どうなったでしょう。

後日の【後編】をお待ちください。

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正月気分の一掃:【後編】

正月気分の一掃:【後編】

近づいてきた白装束。

「と・と・・止まれ、何者ぞ」

震える足をすくませながら、
どうにか声を張り上げたのだった。
夜道 4
白装束姿の者は立ち止り、
「申し訳ねぃがんす、どうか、通してください、
行かせてくなんせ」

と、か細い声で言う。

「ありゃ、幽霊でもねえ、お化けでもなえ」
安心をしたのだった。

それにしても、なんと云う恐ろしい格好をしてるのだろう。

「お前さん、何してそんただ格好して夜道を歩いてるんだ」
と、聞いたのだった。
暗い夜道 3
白装束の女は、声をすすり、泣きながら話したのだった。

「実は私は、この先に嫁に来た者ですけども、あまりの
酷さに、耐えきれず、実家に帰ろうと、その家を出たのです」

「そうですか・・・」

「夜道の女の一人歩きは危ないのでこのような格好をしたのです、
驚かして申し訳ねえ事でした、許してけらせ・・」

女の話を一通り聞いて、見送ったのだった。

余程、疲れているのだろう。
可愛そうなものであった。

私は気を取り直しながらも、世の中の複雑さを
あれこれ考えながら帰り道を急いだのである。


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無縁仏

無縁仏

ある処の墓参りをした時のことである。
お参りをして帰ろうとすると、
何処からともなく声がする。

「おい、オレのも拝んでくれ」

当りを見回しても誰もいない。
おかしいなと思いながら歩こうとする。

「後ろにある小さな石だよ」

「え!・・・・」
見ると、みすぼらしい石が立っていた。

無縁仏
「もう、何年もオレを拝む奴はいねぇ・・な、頼む・・」

俺は、小さな石に手を合わせて成仏するよう拝んでやった。

「ありがとう・・・ありがとう」

無縁仏か・・・、かなり古い石だな、そうとうな歳月が立っているに違いない。

墓所の中にも色々あるものだ。
俺は、墓所全体に手を合わせ、後にしたのだった。




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林の中の叫び声

林の中の叫び声

オラは、村に帰って10年ほどになる。
冬になると、どうも気になる事があるんだよ。

山の林の中から、みょうな音がするんだよ。
風もないのにさ。

ひぇー~とかへぇー~とかな。

なんだろうな、不思議だなと思ってらたのさ。
それで、ある時に山さ行って見る事にしたんだ。
林の中で?
その日は天気も良かったしな、風もなかった。

林の中に入ると、何やら音がしだした。
ひぇー~,へぇー~とな。

おかしな音だな、一体なんだべと思ったな。

そのうち、何かが雪を這うような音がしだしたんだ。

ざぁざぁ とな。

突然、大きな音が声がした。

ひぇー~ 返してくれー~
へぇー~ 返してくれー~

「わぁ、はぁ・・」
オラはビックリして、木の陰に隠れたよ。

そしたら、何と白い装束が漂って来るでねぇか。
林の中を駆ける
首から上がない。

返してくれー~
ひぇー~ 返してくれ

叫び声をあげている。

オレは、恐ろしくて身を縮めじっとしていた。
やがて、白装束は走り去った。

何かを追ってるようだった。

オレは、静かに林を抜けて山を降りたのだった。
村一番、長生きしている婆さんを訪ねて、
この事を話した。

婆さんは、うなづき語るのだった。
人さらい
大昔の事だけども、この村に人さらいが来てな。
ワラスを取られた母親がいてな。

ワラスを取り返そうと山に追って云ったそうだ。
それっきり、ワラスも母親もいなくなったそうだよ。

ふだばな、まだワラスを取り返そうと追っかけてるってことだなや。

なみあみだぶつ、なみあみだぶつ・・・。

婆さんは山に向かって拝むのだった。

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プロフィール

大坊峠のツッチー

Author:大坊峠のツッチー
岩手県は北緯40°に位置する岩手町から地域の情報を発信します。山里で農業を営み、昭和26年生まれの人生と、方言による創作小話・童話を綴ります。尚、作品は著作権とし、無断使用はお断りします。

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