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お爺ちゃんの夢

爺ちゃんの夢
お爺ちゃんの夢

お爺ちゃんが、元気がなくなった。
いつも朝早くに起きて、
散歩してたのに、どうしたのかな。

お爺ちゃんは、抱っこしたり、
おんぶしたりしてくれた。
優しい優しいお爺ちゃん、
どうしたのかな。

ねえ、お爺ちゃん。
起きてよ。
一緒に散歩しよう。

花子か、
もう駄目だよ。
足腰が弱ってな、立つことができなくなったんだよ。
ありがとう、心配してくれてな。

大丈夫だよ、
私が手を持ってあげるからさ。
行こうよ、外へ行こう。

いいんだよ。
もう、十分に生きたよ。
花子と勇太とも遊べた。
良い人生だったよ。
ありがとう。

だめだよ、お爺ちゃん。
お婆ちゃんが呼んでたよ。
起きて顔を洗えって。

婆さんか、世話になったな。
随分と苦労をかけたな。
すまねえな、ありがとう。

そんなこと言ったら、お婆ちゃんに叱られるよ。
お父ちゃんが言ってたよ。
お爺ちゃんは、人の倍も働いた人だって。

そうだな、若かったからな。
花子の父ちゃんは、良く手伝ってくれたな。
明るい子でな。
ありがとう。

母ちゃんは、どうなの。

良く笑う母ちゃんでな。
賑やかでな楽しかったよ。
作ってくれる飯は、婆さんのよりも
美味しかったよ。
ありがとう。

ねえ、ねえ、お爺ちゃん。
私の事好き。

ああ、好きだよ。
花子も、勇太も大好きだよ。
婆さんも、お前の父ちゃんも母ちゃんも、
皆大好きだよ。
ありがとう。

あのね、お爺ちゃんの夢は何。
教えてちょうだい。

夢か、そうだな。
小鳥の声が聞きたいな。
いつも山や畑で、聞いていた鳥の声よ。

そうか、お爺ちゃんの夢は、
小鳥の鳴き声を聞くことか。
お父ちゃんに言ってみるよ。
行こうよ、行こうよ。

お爺ちゃん、皆して小鳥の声を聞きに行くんだよ。
このリヤカーに乗るんだよ。
座れるようにしたからね、大丈夫だよ。

さあ、お爺ちゃん出発だよ。
押すからね。

いい天気だな。
まぶしいな。
ああ、久しぶりに見るな。
いいな。やっぱり外は。

お爺ちゃん、鳥が飛んでるよ。
ほら、こっちへ来るよ。

本当だな、飛んでる飛んでる。
おおい、おおい。
オラだ、オラだよ。

皆ありがとう。
元気になったよ。
降りて歩いてみるよ。

小鳥の声が聞こえて来るよ。
花子、一緒に行こう。

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プロフィール

大坊峠のツッチー

Author:大坊峠のツッチー
岩手県は北緯40°に位置する岩手町から地域の情報を発信します。山里で農業を営み、昭和26年生まれの人生と、方言による創作小話・童話を綴ります。尚、作品は著作権とし、無断使用はお断りします。

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