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ああ結婚

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ああ結婚

村の正男は、隣の花子と結婚することになっていたのでがんす。
式もあと、わずかになってきて、正男の親父は、
準備をしてらったのさ。

用を足した帰りに、花子の家に立ち寄って
挨拶をしたのでがんんすよ。

「いい天気でがんすなや、どうでがんすべな
花子の支度の方は」

花子の親父が出てきて、
「どうも、はあ・・そんでがんすな・・」

と、気のねえ返事をするのでがんした。

「何だよ、目出度い話に浮かねツラすて」

花子の親父のトモ蔵は、
「定吉よ、実はな・・花子がな、嫁に行きたくねって言うのよ」
「えーっ、花子が、な、何すてだ」

「いや、何だかよ、他に男がいるようでよ」
「じゃじゃじゃ、何、語ってるのよ・・いまさら」

「何べんも、言って聞かせたのさ。ふでもな、泣いて
どうにもならねのさ」
「男が居たってか、バカ話すばさねでけろ、もう皆さ案内だしてるじゃ」

「申し訳ねえ・・それでな、花子はあきらめてけろ」
「うーん、困ったなや」

「その代り、フズコをけるから」
「富士子・・下の妹か・・ありゃ、まだオボコだべ」

「ふでも、学校は終わってるから、大丈夫だ
フズコならオラの言うことも聞くから・・・な、頼むこの通りだ」

そう云うわけで、正男の嫁っこは、
花子から富士子になったのでがんすよ。

結婚式の祝いが始まりますた。

「えーっそれでは、仲人のタツ吉さん、挨拶をお願いします」

「ああ、本日は、誠にめでたい事で当家の正男と
隣の花子が結婚式を挙げることとなりまし・・・なんだよ」

「タツ吉さん、花子でねくて富士子だよ」
「富士子・・」

「さっき、言ったべな、もう」
「ふんだってよ、花子って書いて覚えてきたんだものさ、
急に言われても、分からねべよ、ツラだって、角隠しで見えねえし」

「そのう、何だな、花子ではなくて富士子が嫁になる事に
えーっ、なったそうで、まあ目出度いことで・・・」

挨拶もしどろもどろになって、集まった人も驚いたとよ。

「ありゃ、花子でねくて、富士子だってか」
「何すて又なや」

てなことで正男と富士子は、夫婦になったのでござんすよ。

富士子はオボコだったけども、すぐに成長してな、

「マサーっ、何やってる。早くこれ片付けろ」
「ほれ、ネマってねで、燃やす薪、持ってきてけろ」

てな、立派なカカ様になったどよ。



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大坊峠のツッチー

Author:大坊峠のツッチー
岩手県は北緯40°に位置する岩手町から地域の情報を発信します。山里で農業を営み、昭和26年生まれの人生と、方言による創作小話・童話を綴ります。尚、作品は著作権とし、無断使用はお断りします。

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