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社長の面

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社長の面

オラは、真面目な会社員でがんした。
何事も誠心誠意努めていたのでがんすよ。
ある日部長がオラを呼んだ。

「ツッチー、本社から社長が視察に来る、
それでな夜の接待をやってくれ」
昼は現場を回って、夜は社長を囲んで一杯やるんだとか、
まあ、何時もの事だ。

オラは、良く行くスナックのママに
頼んだ。
「任しといて、若い子も用意しとくから」
これで、OKと部長に報告しておいた。

その日の夜が来た。
「ほお、此処が君たちが良く来る店か
まあ、宜しくたのむわ」
てな訳で、社長を囲んで一杯が始まった。

ころ合いを見て、オラは、総理大臣の面を被って
横に座った。
「おっほん、君、君、日本の為に頑張っとるかね」
酒の瓶を片手にして、注ぎながら、
「社長は、社員よりも汗をかかんといかんよ」
と、言うと。

社長は、ギョとした顔して、
「誰だ、貴様は・・」
大声で叫びだした。

これはいかん、オラは、慌てて面を取って
「失礼しました、ツッチーです」
冷や汗をかいて、退散した。

「ママ、まずい綺麗どころを出してケロ」
「はいよ」
ホステスたちが社長を囲んだ。

「社長さん、あら男前」
「あっちもこっちも元気そう」
などと言って、でかい尻や胸を押しつけた。

硬かった社長の顔も、崩れたのだった。
ホステスも、サービスをエスカレートして、
社長も調子に乗り、股に手を突っ込んだりした。

「ありゃ、お前男じゃないか」
「あらーん、そんなに強く握っちゃいやよ」

「ありゃりゃ、まずいママ、変な奴呼んだな」
オラは心配になり、ボックスを覗くと、
「俺よりも、でかいのを持ってるな、ワッハッハッ」
と、さらに盛り上がってきた。

ママが面を被って、
「君、君この子を秘書として使えたまえ」
「この大玉をか、ワッハッハッ、採用、採用」

今度は社長自らが面を被り、ホステスに
あれこれ命令をしだした。
絶好調で、遅くまで楽しく過ごしたのである。

翌日、部長からねぎらいの言葉を受けた。
年末のボーナスは、アップ間違いなしと
期待していたら変化なし。

春の人事異動で、北へ転勤となった。
何してだ。

オラは、スナックで面を被り
「また何時か会おうな」
と、言ってこの地をあとにしたのでがんす。

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大坊峠のツッチー

Author:大坊峠のツッチー
岩手県は北緯40°に位置する岩手町から地域の情報を発信します。山里で農業を営み、昭和26年生まれの人生と、方言による創作小話・童話を綴ります。尚、作品は著作権とし、無断使用はお断りします。

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